発表された当時、世界のゲーマーが発狂した問題作。
結論からすると、「全てにおいて想像を上回る出来で、ハードル上げすぎて第2弾が不安になる」レベル。
シナリオ・ボリューム
元々、分作である事とミッドガル脱出までを描いた作品となっている事を明言していたが、ここで一つ疑問が出てくる。
それは、原作のシナリオでは、ミッドガル脱出するのは7時間程度で到達できる位のプレイ時間であること。
この時点で、原作を知っているユーザーからしたら、当然「短いのでは..」と言う不安が出てくる。
プレイすることで、この問題は杞憂である事が分かる。
FF7の世界観を改めて再構築した上で、シナリオだけでなくモブを含むキャラクターや訪れるロケーションを深く掘り下げ、ミッドガル脱出までのシナリオだが、ボリュームを1本分のRPGと遜色ないレベルになっていた。
しかも、それが単なる水増しではなく、新たな体験となっていない点が素晴らしいところである。
例えば、七番街スラムだとティファ、五番街スラムだとエアリスの居住区だが、周囲の住人モブが通り過ぎるたびに話しかけてくるのだ。
しかも、モブ一人一人にきちんと声優を割り当て、サブシナリオやクエストを進めていくと、その内容も変化していくのだ。
その物量たるや、スタッフロール時に名も無きモブ声優の名前が1画面にほぼ収まるほどである。
バトル
RPGの花の一つはバトルシステムだろう。
非常にアクション寄りになっており、攻撃はいつでも出来、魔法やアイテムなどのアクションを実行するためにゲージを消費するため、プレイ感覚はキングダムハーツに近い。
属性の効果が比較的強めに設定されているので、難易度をHARDにすると、雑魚戦でも苦労する場合がある。
逆に言うと、戦闘前にしっかり対策を練って準備をしておけば、難易度が激減する。
バトル直前にチェックポイントが設定されるので、リプレイ時もそこまでストレスを感じさせない。(リプレイ時のローディングは除く)
但し、ちょっと厳しい部分もある。
攻撃や防御以外のアクションを取ろうとすると、必ずゲージを消費するシステムの影響で、ゲージを消費してアクション⇒攻撃してゲージ回収、のルーティンをしっかり確立しないと、ゲージを消費して回復⇒攻撃が激しすぎて、防御でゲージ回復待ち⇒ゲージを消費して回復、と悪循環に陥ることもしばしばある。
また、DMCみたいに「画面外の敵は一切攻撃してこない」訳ではないので画面外から攻撃が飛んでくる事が多く、この部分に関しては結構ストレスを感じる。
責めて、警告アイコンを付けて欲しい。
各種システム
戦闘シーンが大きく取り上げられているため、それ以外のシステムはどうなった...と思われていたようだが、それも杞憂だった。
マテリアシステム
原作にあったマテリア装着システムは、FF7Rでも健在。
マテリア成長もそのまま引き継がれている。
原作にあったマテリアはきちんと存在するし、FF7R特有のマテリアも存在する。
しかも装備中の武器に装着したマテリアがきちんと映像として反映されている徹底ぶり。
当然、リアルタイムで進行するイベントシーンでも装着されている事を確認できる。
武器成長システム
オリジナルには無かった、武器毎にも、成長要素と固有のスキルを持っているシステムが追加されている。
次々と強い武器に切り替えていくのではなく、弱い武器を成長させる事で、後から出てくる武器と遜色ない能力を持つことが出来る。
武器の成長要素は、FF13のクリスタリウムシステムの様になっている。
幾つかに分かれたカテゴリ内に各種成長要素が設定されており、それらは武器の個性に基づいたパラメータ上昇や属性付与・スキル取得などの味付け*1がされている。
主にレベルアップ後に入手できるBP(バトルポイント)を消費することで、これらの要素を取得できる。
BPの全体量は共通だが、そこから消費されるBPは武器毎に設定されており、武器Aと武器B間でのBPやりくりは考えなくて良いので、一つの武器に専念してBPを消費できる。
また、武器毎に固有のスキルが設定されており、武器の熟練度が100%になると、そのスキルを習得でき、他の武器でもスキルが使えるようになる。
個人的には、釘バットの固有スキルが最高である。カキーン ミ☆
ミニゲーム類
それ以外にも、スイッチの同時押しやスクワットやバイクチェイスなど各所にあったミニゲーム要素は、よりパワーアップして帰ってきている。
原作でのスクワットは、タイミング良く1ボタンを押すだけだったのが、FF7Rではスクワット1回分を4分割してそれぞれのポイントに合わせて4つのボタンを押していく形になっている。
4ボタンの表示位置は、当然実際のデュアルショック4のボタンに準拠しているし、次に押すべきボタンを示すラインと押すタイミングを示すガイドが流れていくので、きっちりとプレイしやすく仕上がっている。
全体
バトルでストレスを感じる部分はあるが、ストーリーや選出、システムについては文句なしに素晴らしい出来だ。
あまりにも出来が良すぎて、第2弾のハードルを爆上げしてしまっている気がする。