未来日記

未来日記 (1) (角川コミックス・エース (KCA129-5))未来日記 (2) (カドカワコミックスAエース)未来日記 3 (角川コミックス・エース 129-7)
去年の夏辺りから、展開にワクテカしているコミック。


空間と時を司る神デウスより未来を予測する日記を与えられた12人が、次期デウスの座を巡って殺人ゲームをする。
ってのが、大まかな概要で、「ひぐらしのなく頃に」辺りから広がりつつある、猟奇系・壊れ系キャラな世界観。
(23:50)補足すると、未来日記は90日先までの情報が載っているわけだが、当然日記所有者が死亡する可能性もある。
当然、この死亡を回避する事は可能だが、未来日記所有者からの攻撃により所有者自身の行動では不可避状態に陥った場合を、DEAD ENDと言う形で積み状態となる。


基本は、主人公である1stの雪輝とヒロイン的存在の2ndの妻我由乃を中心とした展開な訳だが、それぞれ個性があり、その壊れっぷりがなかなか良い。
1stの雪輝は、外部との接触を極力遮断し、淡々と自分の身の回りの出来事を携帯電話の日記に書き込んでいく高校生。
2ndの由乃は、エリートと思っていた自分に「未来になにをやりたいか?」と言う設問なんか要らないと感じていたのに対し、同じ設問を真剣に悩んでいた雪輝に憧れ、ストーカー化した少女。
3rdは、序盤にあっさりとやられてしまうのだが、未来日記を手に次々と連続通り魔殺人を起こす快楽者。
9thの雨流みねねは、8歳からテロ活動をしていると言う、ヨクワカラン娘。
等々...


この由乃と言う少女の壊れっぷりがなかなか爽快で、あちこちで話題となっているみたい。
「毎日10分おきにユッキー(雪輝)の事を書き込んでいる」って位なら何の変哲もないが、雪輝の知らない所でそれが一年近く続けられていた所は怖い。
そして、ユッキーを守る為には殺人も躊躇せず実行する。
全ての行動がユッキーと自分が結ばれるの為、と言う妄信的な少女です。


1stの雪輝のストーカーである2ndの妻我由乃の見事な壊れっぷりに焦点が当てられているが、個人的に最高にヒットしたのは、2巻に登場した12th
正義の味方に憧れる全盲の青年で、日々の行い(正義の行動)をテープレコーダーに日記として録音していて、これが未来日記化する。


正義の味方に憧れているって事で、その熱狂振りはなかなかの物でして。
自前で変身ベルトを作り変身スーツも準備するという、用意周到ッぷり。
(変身スーツのデザインセンスは、どう見てもショッカー並の雑魚敵なわけだが.....)
そのテープレコーダー=正義日記に導かれ、悪の組織と認識した6thの教団を殲滅しようと潜り込む。
6thのDEAD END回避を手助けする雪輝に対峙する時、催眠術を掛けた教団信者4名を引き連れ、ゴレンジャーならぬ「ゴトゥエルフス」として登場して、戦隊モノとしてのお約束のポージング。
お約束のカラーリング名を名乗るが、どう見ても全員黒タイツなのはオイトイテ。
バックの爆発演出も再現するわけだが、それが単なるマンガのギャグ路線な仮想的な演出ではなく、脇でちゃっかり爆弾を発破している
もはや、今読んでいるコミックが猟奇系なのかギャグなのか訳の分からなくなるほど、掻き回してくれる。
12th萌え。既に脱落したけど....


ちょっと粗削りであるのも確か。
・コミック化に辺り、1巻の存在感が少し微妙。
2巻の由乃の家で遭遇する出来事を1巻のラストに持ってくる事が出来ていれば、もっとブレイクするんじゃないかと思った。
アニメ化するなら、ここに来るまでオープニングとかは一切なしで、ここで初めてオープニングを出すのが効果的かな(....にしては、少し前置きが長すぎるか....)
・色々と矛盾点も結構山積
警察官の4thが隠蔽工作出来る地位に居るとも思えないとか、ドコからバイクを調達したんだ?とか。
・絵柄の描き込み不足?
ひぐらしみたいな、ヤバイ表現が無いのは少し惜しい所。
まぁ、この点は、鐙沢村の亜空間的な場所とは違い、世間一般日常的な部分に同居していると解釈しよう。


時折出てくる、HAPPY ENDフラグ。
これが何を意味するのか....


雪輝と同じ目に遭いながら、一度もDEAD ENDフラグが立っていない由乃はすげぇなw