Windows95以降、MSが読み違えている進化の方向性

キャラクターベースからグラフィックベースに変わった「見た目の進化」が理由と考えていたが、それ以外にも大きな理由があった。

それは、キーボードオペレーションからマウスオペレーションに変わった「操作の進化」。
MD-DOSまでは、不慣れなコマンドを覚えるだけじゃなく、沢山のキーの配列なども覚えなければならないと、敷居が非常に高かった。
(Windows3.1にしても、ベースがMS-DOSなので、制約があったり、様々な事を覚える必要有り)
Windows95で、直感的な操作が可能なマウスオペレーションとなり、キャラクターベースからグラフィックベースへの切り替えも相俟って、圧倒的にPCが使いやすくなった。
「見た目の進化」とこの「操作の進化」のセットが、Windows95起爆剤となったと思う。


では、問題のWindows95以来の革新と銘打っている「WindowsVista」。
「見た目」に関しては確かに変わっているが、この「操作」に関しては殆ど変わっていない。
もし、マイクロソフトWindows95並にWindowsVistaを売りたいのであれば、「見た目の進化」だけでなく、それに伴う「操作の進化」へも注力する必要があった様に思う。


で。
実はWindowsVistaには、そのきっかけとなる機能を実は持っているのですよ。


それは、「Tablet機能」。
画面をポインティングする事で、マウスよりも更に直感的な操作が出来る様になります。
同時に文字認識機能を使えば、キーボード操作が苦手な人にも扱う事が出来そうです。
WindowsVistaのHomeBasic以外のエディションは、過去に発売したTabletPC Editionの機能も有しています。
もっとTablet機能を充実させるべきだった。
そして、マーケティングでも盛り込んでおくべきだった。


同じ直感的に操作すると言う点では、Media Center Editionから盛り込まれた10フィートUIとリモコン機能があります。
ですが、基本的にリモコンはマウスの代わりになっただけで、文字入力にキーボードは必須です。
本当の意味で、一般人にPCを売り込みたいのであれば、格好いいクールな皮を被せるのではなく、
キーボードは出来る限り排除する、もしくはポインティングデバイスがキーボードの代わりを果たす様な機能を実装する事が先決だと思います。
書くと言う行為は、大抵の人が体得している技術。


ただ、最終的にはVistaは95以上に売れる可能性は十分にある。
95の様なユーザー主導による移行だが、Vistaマイクロソフトは、DirectX10以降をVista専用にするなどの方法を採る事により、マイクロソフトがシェアに幅を利かせて強要した移行になる。
残念だが、この辺は既にエコシステムが回ってしまっているため、仕方がない所...


別に、.NET Framework3.0が悪いとかWindows Aeroが悪いとかは言っていません。
.NETで開発効率が上がるとか、Aeroで使い勝手が良くなるとかは分かります。


でも、もっと売りたいんだったら、Tablet機能をアピールすべきだったんじゃない?って思っているだけです。